7.扇風機
「ふぅーっっ。あ〜っさっぱりしたぜっ」
夕食後、いつものように茶の間でテレビを見ているあたしの向かいに、お風呂上りの乱馬が腰を下ろす。
濡れた髪の毛をタオルでガシガシとぬぐいつつ、あたしのほうを向いて回っていた扇風機の首を無理やり自分のほうに向ける。
「ちょっと、乱馬。そんな力任せに扇風機の首、曲げないでよ。つぶれたらどうするのよ」
「んぁ〜?大丈夫だろ??」
大丈夫大丈夫っ、と言いながら、乱馬ってば扇風機に向かって気持ちよさそうな顔、しちゃってる。
扇風機の羽に向かって「あ〜」とか言って、遊んでるし。
ぷっ。
まるで小学生みたい。
扇風機の風でおでこ全開だしね。
こうしてみると、ほんと、乱馬って無邪気よね。
憎めないっていうか。
男の子って、みんなこんなものなのかなぁ。
「んぁ?なんだよ、オレの顔になんかついてんのか??」
テレビ画面じゃなくって、乱馬のほうをぼーっと見ていたあたしに気づいて、ちょっと怪訝な表情であたしを見る。
「え??何もついてないわよっ。もう夏休みも終わりだなーって思ってね」
「あー…そういや、明日から学校かぁ」
そう。
長い夏休みは今日で終わり。
明日からはまた、学校が始まるんだよね。
きっとまた騒がしくなるんだろうなぁ。
…って、夏休みの間も、結構騒がしかったような気もするけど。
「終わってみると、あっという間だよなー」
「そうよね。1ヵ月半もあったのにね」
相変わらずおでこ全開なまま、乱馬はしみじみとつぶやく。
つられてあたしも、この夏休みのことを思い返す。
ほんと、今年は海にも行ったし花火も見たし。
楽しかったなぁー。
…あれ?
そういえば…。
「ね、ねぇ、乱馬?夏休みの宿題って、ちゃんと終わらせたの??」
お盆明けぐらいに一度、乱馬の宿題を一緒に手伝ってあげてたんだけど…。
あのときに全部、できてなったわよね?確か。
あとは自分でやるから大丈夫、とか言ってた…けど。
「えへへへへ」
「…ま、まさか」
乱真ってば、思いっきり無邪気な笑顔をあたしに向ける。
この笑顔。この笑い方。
…まさか。
「あかねっ!頼むっ!宿題写させてくれっ!!」
…や、やっぱり。
「だめよ。自分でちゃんとやらなきゃ」
「んなこと言ったってよぉ。夏休みもあと何時間かだぜ?ぜってぇにムリだって!」
「だから、もっと早めにやっときなさいって言ったじゃない」
「そこをなんとか!なっ!頼むよっ!」
そういって、乱馬ってばあたしの後ろにやってきておもむろに肩をもむ。
まったく。
こういうときにはほんと腰が低いんだからっ!
で、結局この日は日付が変わるまで。
あたしは乱馬に付き合って、茶の間で山のように広げられた宿題を手伝う羽目になった。
まったく。
夏休みの最終日まで宿題を溜め込むだなんて…。
ほんと、小学生みたいだわ。乱馬って。
ううーん。何が書きたかったんだろう???(って!!)
扇風機→乱馬くんが扇風機の前で「あ〜」ってしている姿…。
と言うのが浮かんだので。
なんかもー…時期的も夏終わってるしね。
ラストは相変わらずだしなぁ。はぁ。
(05/09/05 ブログ発表分 05/09/17 加筆修正)
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