ある初夏のひととき




 ある初夏のひととき。
 天道家の縁側で稽古の合間のひと時を過ごす早乙女親子。


「…っふー。…なぁ、おやじ…?」
『なんだ?乱馬』
「俺さー。最近気になることがあるんだけど」
『なんだ?言ってみろ』 
「…おやじ、マジでパンダ治す気あるのかよ?」
『当然ではないかっ!』
『何をいまさら言っておるっ!!』
「じゃあよぉ…なんでー最近ずーっとパンダのまんまでいやがるんだっ!!」
「ぱふぉーっっ!!(『だってラクなんだもーん♪』)」
「んなちゃらんぽらんな考えしてるから、俺まで女になっちまうような身体になっちまったんだろーがっ!!」
「ばっふぉぺふぉぺふぉっ(『お前も女を利用しておるだろうが!』)」
「っるっせーんだよっ!!それとこれとは別モンだろーがっ!!」
「ぼふぉふぉっ!!(『何をぬかすか、このすっとこどっこい』)」
「なんでーっ!やるかっ!!」





 天道家の庭に散らばるプラカード。
 そして、ケンカをはじめるお下げの男の子と一匹のパンダ…。


「あら。乱馬くんと早乙女のおじ様がまたケンカしてる」
「えー??またぁ?ちょっと乱馬―?そろそろ夕飯の時間なんだからやめときなさいよー」

 そこに通りかかったなびきの声を聞いて、台所からあかねが縁側に出てくる。

「あら…乱馬くんが池にはまっちゃいそうよ…って、はまっちゃったわね。あかね、お湯いるんじゃない?」
「えーっ?!もー…。1日何度女になれば気が済むのよー…」

 見ると、池の中ではお下げの女の子と一匹のパンダが相変わらず殴り合いのケンカをしている。
 その様子に一つため息ついて、あかねは台所からやかんを持ってくる。

「…女になるのも、パンダになるのもすっかり日常よね」
「なびきおねーちゃん…」

 やかんを手に、あかねが思わずがっくりうなだれてしまう。
 ほんと、すっかり日常よねー。うちの庭でお下げの女の子とパンダがケンカしてるのが…。

 はぁ。

 ほんと、いつになったら2人とも治るのかしら…。


 その前に、本気で2人とも元の身体に戻る気、あるのかしら…。








 コレも、何気に元ネタ…っぽいものはあります。
 それは、アニメ熱闘編121話「ニーハオ!呪泉卿のガイドさん」。
 この話の最初、天道家の朝食風景のときのなびき姐さんの一言が大好きでv
「女になるのもパンダになるのも、ほんと日常よね」というやつ。
 最初に見たとき、ほんとにそうだよなー…って思ったんですよね(笑)
 で、このセリフを使いたい!というのと、回を追うごとにだんだんパンダ率が高くなっている早乙女のおじ様のことを考えて…で、できた話(?)です。

 話じゃねぇよな。たんなる言葉の羅列。
 ちょっとここに置いていいのか悩みました。
 まぁ、これもありってことで…。


(05/07/25 作成 ブログにて発表済み分  05/09/09 加筆修正)


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